概要
コアイベント:利用状況別のアカウント定着率ウィジェットは、平均的なアカウント定着率と比較して、早期にコアイベントを利用することがアカウント定着率に与える影響を示しています。コアイベントとは、顧客がアプリを有意義な方法で使用していることを示す行動やイベントのことです。コアイベントを利用する顧客は、プロダクトの価値を実感し、長期にわたってアカウント活動を継続してくれます。目的は、どのプロダクト分野で平均以上のアカウント定着率が得られるかを測定し、ユーザーをそのプロダクト分野に誘導することです。
コアイベントを早期に利用しても、コントロールラインを上回るような平均以上のアカウント定着率が得られない場合は、選択したコアイベントが間違っていて、実は定着しているアカウントは別のフィーチャーを利用している可能性があります。このデータを使用すると、選択したコアイベントや、主要なプロダクトエリアについての仮説を検証することができます。今回の調査結果は、さらなる調査と意思決定のための出発点となるものです。「重要だと思うフィーチャーをユーザーが使用しているのに、そのユーザーが定着しないのはなぜだろうか」「アクティブな定着アカウントが使用しているフィーチャーに、より多くのユーザーを誘導するにはどうすべきか」「そうしたフィーチャーを改善して、ユーザーをプロダクトの熱心な推奨者(プロモーター)に変えるにはどうすべきか」といったことを考えてみましょう。
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要件
- Pendo管理者ユーザーはコアイベントを設定できます
- Pendoユーザーであれば誰でも利用状況別アカウント定着率ウィジェットを利用できます
- アカウントIDはPendoのインストール時に収集する必要があります
Pendoインストールの計画で、アカウントIDを使用したインストールについて学ぶ
データを理解する
利用状況別アカウント定着率ウィジェットのグラフには、最初の30日間に、あるコアイベントを利用したアクティブなアカウントのトレンドラインが表示され、その期間にそのコアイベントを利用した全アカウントとも比較できるようになっています。アカウントをアクティブとみなす基準は、特定の集計間隔で何らかのアクティビティがあったか否かです。特定の集計間隔においてまったくアクティビティがないアカウントは、解約の可能性があるということになります。理想的には、トレンドラインはフラットであるべきです。これは、アカウントの大部分がアクティブなままであり、長期間定着していることを示すからです。
対象基準
以下の条件をすべて満たさないアカウントは、定着率の計算の分子にも分母にも含まれません。
- そのアカウントIDを持つ訪問者がアカウントを開始した日から30日間以内にコアイベントを利用している
- 対象の期間にアカウントを開始している
- 特定の集計間隔のデータを取得できるほどの利用期間がある
特定の集計間隔のデータを取得できるほどの利用期間がない場合、そのアカウントが非アクティブなアカウントとみなされて間違った定着率が算出されないよう、そのアカウントは計算から除外されます。そのため、集計の間隔が長くなると対象となるアカウント数が減少します。この対象基準により、測定するアカウントの数は、集計間隔によって、またコアイベントによって、異なる場合があります。
定着率グラフとアクティビティの経時変化
定着率グラフでは、アカウントの定着期間と関連付けてアクティビティを表示することで、アカウントが価値を見出し、継続的にアプリを使用しているかどうかを視覚化します。そのためには、アカウントのアクティビティをそのアカウントの定着期間に対してプロットしていくわけですが、この定着期間は、その時々の利用状況しか示されないカレンダー上の期間ではなく、集計間隔別に区切られることになります。
対象となるすべてのアカウントは、開始日が月0にプロットされ、そのアクティビティが同時に表示されます。それ以降の月は、アカウントの定着期間を表しており、カレンダーの特定の期間ではありません。集計間隔とは、アカウントのアクティビティが測定され、定着率を計算するために集計される期間のことです。集計間隔が週に設定されている場合、レポートは1週間以内のイベントを検索し、その期間中にアカウントがアクティブであったかどうかを判断します。レポート全体の上限は、アカウントの定着の期間で設定されます。この期間は、現在の日から数えた週または月の数で、週または月の最初の日から始まります。週の始まりは日曜日、月の始まりは1日です。
コントロールライン
コントロールラインは、イベントの利用があり、ウィジェット用に設定されたセグメントに含まれる、すべてのアカウントの定着傾向を示しています。ここには、コアイベントの利用という条件は適用されませんが、その他の対象基準は適用されます。また、グラフ上では点線で表示されます。一方、コアイベントのトレンドラインは実線で表示されます。このコントロールラインは、「行動」セクションの「定着率」レポートの最上段のデータと一致しています。コアイベントの定着率はコントロールよりも高いはずです 。選択したコアイベントが平均以上の定着率を生んでいない場合は、別のコアイベントを選択することや、そのフィーチャーの利用状況や採用状況を評価することを検討する必要があります。
役に立つ定義
- アクティブなアカウント- 集計間隔中に何らかのイベントを利用したアカウント
- 対象となるアカウント - 3つの対象基準をすべて満たすアカウント
- アカウントの定着 - 特定の集計間隔の間にそのアカウントIDを持つ訪問者が何らかのアクティビティを行った
- アカウント開始日 - そのアカウントIDがインストールによってPendoに渡された最初の日
- 最初の30日間 - アカウント開始日を起点とする30日間
- 集計間隔 - アカウント定着期間中のアクティビティデータを集計するために使用する、週または月の間隔
- アカウント定着期間 - ウィジェットには、現在の月からこの期間内のアカウント定着データが表示されます。この期間は、週または月の最初の日から始まります。
- 月0 - 対象となるすべてのアカウントの開始日
- 月X - 定着率計算の対象となる、アカウントの定着期間
- 前月からの変化 - 対象となるアカウントであるものの、前の集計間隔と比較してアクティビティがなかったアカウント、または前の集計間隔ではアクティビティがなかったが今回はアクティビティがあったアカウント。
トレンドラインにマウスポインタを合わせると、各集計間隔での各コアイベントの詳細な定着率データが表示されます。これには、対象となるアカウント数に対する定着アカウントの数と割合、および前回の集計間隔と比較した定着アカウントの変化が含まれます。対象となるアカウントの総数(分母)は、月ごとに変わる可能性があります。アクティビティデータを取得できるほどの利用期間がないアカウントは対象外となり、削除されます。こうしたアカウントは解約されていないため、「前月からの変化」の計算には含まれません。
ウィジェットには、選択したアプリのコアイベントの設定が表示されます。アプリのコアイベントが変更された場合は、ウィジェットの追加や更新、ダッシュボードへの移動、ブラウザの更新などでウィジェットが再読み込みされた際に、その変更が反映されます。
ヒント:定着率グラフの各集計間隔を、個々のコホートとして見るとよいかもしれません。ウィジェットの対象基準では、最初の30日間のコアイベントの利用と、期間内のアカウント開始日が鍵になります。各集計間隔では、対象となるアカウントの開始日と現在の日との差に基づいて期間の内容が調整されます。例えば、6カ月間の定着率グラフでは、0~6の各月を個別に計算します。月1の対象となるためには、アカウントの開始日が1カ月以上前(ただし6カ月以内)で、1カ月以上のアクティビティデータがあり、月1の定着率計算の対象基準を満たしている必要があります。月2の対象となるためには、開始日が2カ月以上6カ月以下のアカウントである必要があります。直近2カ月内に開始したアカウントの場合、2カ月以上の利用データがないため、月2以降の集計間隔からは除外されます。
ダッシュボードにウィジェットを追加する
1. ダッシュボードの右上にある [+ウィジェットの追加(+ Add Widget)] をクリックします。
2. 利用可能なウィジェットのリストから、コアイベント:利用状況別アカウント定着率ウィジェットを選択します。
3. ウィジェットを編集して、名前、測定間隔、アカウント定着期間、セグメント、および調査したいアプリを選択します。
- 名前 - ダッシュボード上の表示名
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コアイベント初回利用の期間 - コアイベントの最初の利用を認識する、アカウント開始日からの期間
- デフォルトは最初の30日で固定されています。
- 集計間隔 - 定着データを測定し、グループ化する、週または月の間隔
- アカウント定着期間 - 定着を測定する期間
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セグメント - 利用状況データの問合せを行うアカウント
- セグメントが大きいほど、データの変動が少なくなります
- アプリ - コアイベントの選択とプロダクトの使用データの問合せを行うアプリ
4. ウィジェットを保存して、ウィジェットをダッシュボードに追加します。
ウィジェットの編集と削除
ウィジェットは編集したり、ダッシュボードから削除したりすることができます。
ウィジェットの右上にある [その他(More)] をクリックします。
[ウィジェットを編集(Edit Widget)] をクリックすると、ウィジェットの編集モジュールが開きます。ここですべてのウィジェットパラメーターを変更することができます。
[ウィジェットの削除(Remove Widget)] をクリックすると、ダッシュボードからウィジェットを完全に削除できます。