重要:この記事では、SDKを正常にインストールするために必要なAPIキーとスキームIDを含まないコード例を紹介しています。サブスクリプションのPendo管理者は、[サブスクリプション設定(Subscription Settings)]の[アプリの詳細(App Details)]または[アプリの詳細]の[インストール設定(Install Settings)]で、これらの一意のIDにアクセスできます。
概要
Pendoはプロダクトの使用データやユーザーからのフィードバックを取得し、アプリ内でユーザーとコミュニケーションをとりながら、ユーザーにオンボーディングを促したり、ユーザーを教育したり、価値あるものに導いたりすることができます。Pendoのタグ付けとガイドは完全にコードレスで、エンジニアリングリソースは不要です。ただし、SDKのインストールとアプリにおけるPendoの初期化にはエンジニアの力が必要です。Pendoと一般的なインストールプロセスに関する情報は、導入計画文書(Installation Planning article)に掲載されています。準備をすれば、Pendo SDKの技術的なインストールは簡単です。
Pendoを最初にインストールする際の技術的な部分はSDKだけです。SDKが正しくインストールされれば、誰でもPendoを使うことができます。SDKは、訪問者のアプリ内での行動を追跡し、ガイドを読み込み、セッションのメタデータをキャプチャします。トラックイベントなど、モバイル向けのPendoの使用を最適化および拡張するために、後から追加の開発を行うことができます。最新のPendoの機能を使用するには、新しいバージョンがリリースされた際に、モバイルアプリのSDKもアップデートする必要があります。
Pendoは、他の一般的なCRM、分析、およびコラボレーションツールとのインテグレーションを行っています。インテグレーションの範囲は、コードレスのインストールウィザードによるネイティブインテグレーションから、カスタム開発まで多岐にわたりますが、この記事では説明しません。一般的なインテグレーションについては、インテグレーションに関する記事をご覧ください。また、SDKのインストールが完了した後のサブスクリプションのインテグレーションについては、Pendoの担当者にお問い合わせください。
要件
- モバイルSDK 2.10以降
- iOS 9.0以降
Pendo iOS SDKのインストール
SDKは、CocoaPods、Swift Package Manager、またはマニュアルでインストールできます。任意の方法で一度だけインストールを行ってください。この作業が完了したら、Pendoを設定して初期化し、ユーザーの識別、データの収集、およびガイドの読み込みを行う必要があります。
CocoaPodsによるインストール
1. PodFileを開きます。
PodFileの先頭に以下の記述を追加します。
platform:ios, '9.0'
use_frameworks!
pod 'Pendo', '~> 2.11.0'
xCode11以前の場合は以下のようになります。
platform:ios, '9.0'
use_frameworks!
pod 'PendoLegacy', '~> 2.11.0'
2. Applicationフォルダーでpod install
を実行します。
Swift Package Manager(SPM)によるインストール
1. Xcodeで、[File]>[Swift Packages]>[Add Package Dependency]を開きます。 >
2. https://github.com/pendo-io/pendo-mobile-ios でpackage.swift
を検索します。
マニュアルインストール
1. pendo-ios-sdk libraryから、最新のバージョン2のSDK pendo-ios-sdk-framework
ファイルをダウンロードします。
2. ZIPファイルを解凍してフレームワークPendo.framework
を展開します。
3. フレームワークをプロジェクトにドラッグして、Pendo.frameworkをプロジェクトのFrameworksディレクトリにコピーします。プロンプトが表示されたら、[必要に応じてアイテムをコピーする(Copy items if needed)]オプションにチェックを入れます。
4. [フェーズの作成(Build Phases)]>[バイナリをライブラリにリンク(Link Binaries With Libraries)]で、Pendo.frameworkが表示されていることを確認します。
5. [一般(General)]>[組み込みバイナリ(Embedded Binaries)]で、「+」ボタンを押して、Pendo.frameworkを追加します。
6.[一般(General)]> [デプロイメントターゲット(Deployment Target)]で、デプロイメントターゲットが9.0以降に設定されていることを確認します。
Pendoの設定と初期化
SDKの初期化には、SDKのインポートと、訪問者が識別されたときのSDKの初期化という2つの要素があります。Pendo SDKは、アプリケーションのonCreate時にインポートされます。初期化コールは、現在の訪問者を識別してセッションを開始するすべてのアクティビティで発生する可能性があります。
ユーザーを識別し、データ収集を開始し、ガイドのコンテンツを表示するには、Pendoを初期化する必要があります。SDKは、訪問者が認証され、メタデータが既知であるか、匿名の訪問者である場合に初期化できます。初期化は、アプリケーションの起動時、後で訪問者が識別されたとき、または現在の訪問者を識別して新しいセッションを開始する必要があるときに実行できます。
識別された訪問者は、定義されたスキーマを使用して、Pendoのメタデータに関連付けられた訪問者オブジェクトとアカウントオブジェクトを作成します。このデータがPendoでどのように定義され、使用されているかについては、訪問者とアカウントのメタデータに関する記事を参照してください。null
または""
をvisitorId
として渡すと、匿名の訪問者IDが生成されます。
- visitorId - 一意のユーザーIDを含む文字列(例:「user-SFGH-56gh」)。このIDは、他のPendoウェブアプリまたはモバイルアプリの訪問者IDと一致する必要があります
- accountId - 一意のアカウントID、訪問者の特定の企業またはグループへの所属(例:Acme Inc)を含む文字列。このIDは、他のPendoウェブアプリまたはモバイルアプリの訪問者IDと一致する必要があります
- visitorData - 訪問者のメタデータ(例:Eメール、電話、国など)
- accountData - アカウントのメタデータ(例:種別、レベル、ARRなど)
1. AppDelegateクラスでのPendoの設定
アプリケーションAppDelegateクラスに以下のコードを追加
します。
@import Pendo;
application(\_:didFinishLaunchingWithOptions:)に以下のコードを追加
します。
NSString * appKey = @"<REPLACE_THIS_WITH_YOUR_APP_KEY>";
[[PendoManager sharedManager] setup:appKey];
2. 訪問者が識別されるviewControllerでのPendoの初期化
StartSession
は新しいセッションを開始し、データ収集を開始し、指定されたメタデータを持つガイドを読み込みます。これにより、認証されたユーザーを識別したり、匿名の訪問者に対してランダムな訪問者IDを生成したりできます。startSession
を再度呼び出すと、現在のセッションが終了して新しいセッションが開始され、データ収集が開始され、渡された新しい訪問者のメタデータを使用してガイドが読み込まれます。
以下のコードを追加してPendoを初期化し、現在の訪問者を識別します。
[[PendoManager sharedManager] startSession: visitorId
accountId: accountId
visitorData: visitorData
accountData: accountData];
注:いつでもstartSession
を使用して、現在の訪問者を更新できます。startSession
を呼び出すと、現在のセッションが終了し、新しい訪問者との新規セッションが開始され、新しいメタデータを使用してガイドが取得されます。
デバイス接続の設定
PendoユーザーがPendo Mobileページのタグ付けとPendoアプリでのガイドテストに使用されるモバイルデバイスを接続するには、アプリを構成する必要があります。PendoのURLスキームを追加し、URLスキームを処理するようにアプリを設定して、この設定を完了します。
info.plist
ファイルにPendoのURLスキームを追加します。
1.[アプリターゲット(App Target)]>[情報(Info)]>[URLのタイプ(URL Types)]で、「+」ボタンをクリックして新しいURLを作成します。
2.[識別子(Identifier)]を「pendo-pairing」または任意の名前に設定します。
3. URLスキームに自分のスキームIDを設定します。
- スキームIDとアプリキーは、[サブスクリプション設定(Subscription Settings)]の[アプリの詳細(App Details)]で参照できます。
PendoのURLスキームを扱うアプリの設定
1. アプリケーションAppDelegate
ファイルに以下のコードを追加します。
@import Pendo;
2. application:openURL:options
を追加または修正します。
- (BOOL)application:(UIApplication *)app
openURL:(NSURL *)url
options:(NSDictionary<UIApplicationOpenURLOptionsKey,id>
*)options
{
if ([[url scheme] containsString:@"pendo"]) {
[[PendoManager sharedManager] initWithUrl:url];
return YES;
}
// your code here …
return YES;
}
2. iOS 13以降をお使いの場合は、SceneDelegate
ファイルに以下のコードを追加します。
@import Pendo;
3. Scenesをお使いの場合は、scene(_:openURLContexts:)
を追加または修正します。
- (void)scene:(UIScene *)scene openURLContexts:(NSSet<UIOpenURLContext *> *)URLContexts {
NSURL * url = URLContexts.allObjects[0].URL;
if ([[url scheme] containsString:@"pendo"]) {
[[PendoManager sharedManager] initWithUrl:url];
}
}
インストールを確認する
1. Xcodeを使用してアプリを実行し、デバイスログの中で以下を検索します。
Pendo Mobile SDK was successfully integrated and connected to the server.
(PendoモバイルSDKは正常に統合され、サーバーに接続されました。)
2. [サブスクリプション設定]に、[統合済み(Integrated)]と示されたアプリが表示されていることを確認します。
追加の設定
Pendo iOS APIドキュメントには、アプリケーションでPendo SDKを設定するための追加の技術情報が記載されています。
トラブルシューティング
互換性の問題については、最新のPendoモバイルSDKリリースノートを参照してください。
作成における問題:Cocoapodsを使用してアプリケーションを作成すると「…Framework not found AFNetworking for architecture x86_64 (null): Linker command failed with exit code 1 (use -v to see invocation)」というリンクエラーが表示される
Cocoapods経由でインストールしたライブラリの中には、フレームワークの使用を許可していないものがあります。サードパーティのライブラリの新しいバージョンを使用するか、上記のようにPendo SDKをマニュアルでインストールするように変更してください。
アップロードにおける問題:古いバージョンのXcodeでアプリストアにアップロードするとエラーメッセージが表示される
例
ERROR ITMS-90087: "Unsupported Architectures. The executable for XXX.app/Frameworks/PendoFramework.framework contains unsupported architectures '[x86_64, i386]'."
ERROR ITMS-90209: “Invalid Segment Alignment. The app binary at ‘XXX.app/Frameworks/InsertFramework.framework/PendoFramework’ does not have proper segment alignment.Try rebuilding the app with the latest Xcode version.”
ERROR ITMS-90125: “The binary is invalid. The encryption info in the LC_ENCRYPTION_INFO load command is either missing or invalid, or the binary is already encrypted.This binary does not seem to have been built with Apple’s linker.”
WARNING ITMS-90080: "The executable 'XXX.app/Frameworks/PendoFramework.framework' is not a Position Independent Executable. Please ensure that your build settings are configured to create PIE executables.For more information refer to Technical Q&A QA1788 - Building a Position Independent Executable in the iOS Developer Library."
古いバージョンのXcodeでは、動的ライブラリから未使用のアーキテクチャを自動的に取り除くことはできません。この記事で紹介されているスクリプトを使用して、使用されていないアーキテクチャをマニュアルで削除する手順をビルドチェーンに追加します。