セグメントは、Pendoの訪問者やアカウントをメタデータやプロダクトの使用状況などでグループ化するために使用されます。それによりアナリティクスでデータをフィルタリングし、特定のユーザーにガイドを絞り込むことができます。
セグメントとは、選択したメタデータと使用状況を基にしたルールの組み合わせに従って、訪問者とアカウントのグループを定義するルールの集合体です。セグメントの条件に一致する訪問者とアカウントのみが含まれます。
セグメントを表示・更新するには、左側のナビゲーションで [ピープル(People)] > [セグメント(Segments)]に移動します。詳しくはセグメント管理ページの記事をご覧ください。
ユースケース
アナリティクスでは、セグメントを使用して、特定の条件を満たすユーザーの数を取得できます。また、データエクスプローラでセグメントを使用して、グループ間のデータを比較することもできます。
ガイドでは、セグメントを使用して特定のアカウントグループにメッセージを送信することや、ユーザーが何度もページにアクセスするが機能を使用しないときなど、特定の行動を取ったときにガイドを有効にすることができます。
ネストされたセグメントを使用して、既存のセグメントを新たなセグメントに取り込み、一貫性を高めて重複を減らすことができます。これにより、特定のユーザーグループを識別するコアセグメントを、複数の新しいセグメントで再利用できます。たとえば、独自のルールで「商用アカウントの新規ユーザー」のセグメントを作成したとします。そのセグメントをルールとして新しいセグメントに追加することで、コアセグメントを変更せずに「オンボーディングガイドを見ていない管理者」などの追加ルールを設定して、より特定のユーザーをターゲットにすることができます。
また、他のビジネスツールからPendoにメタデータを取り込み、Salesforceインテグレーションなどのインテグレーション機能とともにセグメントで利用することも可能です。これにより、Pendoアナリティクスの品質と実用性を向上させ、ビジネスデータを用いたより精緻なガイドのターゲット設定が可能となります。
要件
すべてのPendoユーザーがセグメントを作成できます。サブスクリプション全体でセグメントを共有する場合は、セグメントを作成する際に[可視性(Visibility)の下にある[全員(Everyone)]権限を使用します。これにより、セグメントをネストされたセグメントで使用することも可能になります。
セグメントを作成する
セグメントを作成するには、左側のナビゲーションで [ピープル] > [セグメント]と進み、[+セグメントを作成(+ Create Segment)]を選択します。
- セグメントに名前を付けて識別できるようにします。わかりやすい名前、もしくは組織の命名規則に従ったものを使用してください。
- セグメントの[可視性]を設定します。[全員]を使用すると、サブスクリプション内のすべての人にセグメントを表示できます。自分だけに見えるように制限するには、[自分のみ(Only Me)]を使用してセグメントの機能を制限します。このセグメントはガイドのターゲット設定には使用できません。
- 訪問者データを選択します。 [認識された訪問者のみ(Identified Visitors Only)]、[匿名の訪問者のみ(Anonymous Visitors Only)]、または[すべての訪問者(All Visitors)]のいずれかから選択してください。匿名ユーザーを含むセグメントを作成する場合は、サブスクリプションの[サブスクリプション設定(Subscription Settings)]で[匿名訪問者のデータの表示(Show Anonymous Visitor Data)] を有効にする必要があります。詳細については、 匿名の訪問者をご覧ください。
- [+ルールを追加(+ Add rules)]を選択すると、プロダクトの使用法とメタデータのルールを自由に組み合わせて追加することができます。ルールを設定する際には注意が必要です。ルールの組み合わせによっては、意図せずにすべてのユーザーを対象にしていたり、過度に制限したために対象ユーザーが存在しなくなったりする可能性があります。一部のルールは、ガイドのターゲット設定には使用できません。詳細については、本記事のセグメントルールをご覧ください。
- セグメントを保存するには、[セグメントを作成(Create Segment)]を選択します。
[対象となる訪問者(Eligible Visitors)]の数は、このセグメントに含まれる過去の訪問者数の合計を示します。
セグメントルール
セグメントルールは、プロダクトの使用状況データ、訪問者およびアカウントのメタデータによって、ユーザーを絞り込みます。これには、スニペットを介して渡されるメタデータ(訪問者ID、メールアドレス、isTrial、タイトルなど)、インテグレーションからのメタデータ、Pendoが提供するデフォルトのルールなどが含まれます。
プロダクト使用状況
- フィーチャー(Feature)- タグ付きフィーチャーのクリック数。
- フィードバックリクエスト(Feedback Requests)- リクエストに投票した訪問者(フィードバックサブスクリプションが有効な場合のみ表示)。
- ガイド(Guide)- Pendoガイドの閲覧数。
- ガイド要素(Guide Elements)- Pendoガイドの要素のクリック数。
- ページ(Page)- タグ付きページの閲覧数。
- 投票調査の回答(Poll Response)- ガイド投票調査への回答。
- リソースセンター(Resource Center)- リソースセンターのモジュール閲覧数。
- セグメント(Segment)- 既存のセグメントをネストされたセグメントとして使用。
- トラックイベント(Track Events)- 受信されたPendoのトラックイベント。
これらのルールはすべてガイドのターゲット設定の対象となります。
訪問者データのデフォルト
- アカウントIDs(Account IDs)- 訪問者が関連付けられているアカウントID。訪問者は複数のアカウントIDに関連付けることができます。
- デバイスの種類(Device Type)* - 訪問者が使用したデバイス。
- 初回訪問(First Visit)* - 最初に記録されたイベントの日付。
- 言語(Language)* - ブラウザの言語のメタデータ。
- 最終訪問(Last Visit)- 最後に記録されたイベントの日付。
- 最新のブラウザ名(Most recent browser name)* - 最後のイベントでのブラウザ名。
- 最新のブラウザバージョン(Most recent browser version)* - 最後のイベントでのブラウザのバージョン。
- 最新のオペレーティングシステム(Most recent operating system)* - 最後に使用したモバイルOS。
- 最新のサーバー名(Most recent server name)* - 最後のイベントのドメイン。
- アクティブ日数(Number of Days Active)- 訪問者がイベントを生成した日数。
- イベント数(Number of Events)- イベントの生データの総数。
- サンプルグループ(Sample Group)* - ランダムグループのターゲット設定に使用される0~99のランダムな値。
- サイト滞在時間(Time on Site)- 訪問者がイベントを生成している時間(分単位)。
- 訪問者ID(Visitor ID)* - インストールされているPendoスニペットからの一意の訪問者ID。
*これらのルールはガイドのターゲット設定の対象となります。
アカウントデータのデフォルト
- アカウントID(Account ID)* - インストールされているPendoスニペットからの一意のアカウントID。
- 初回訪問(First Visit)* - このアカウントIDを持つ訪問者の最初に記録されたイベントの日付。
- 最終訪問(Last Visit)- このアカウントIDを持つ訪問者の最後に記録されたイベントの日付。
- アクティブ日数(Number of Days Active)- このアカウントIDを持つ訪問者がイベントを生成した合計日数。
- イベント数(Number of Events)- このアカウントIDのイベントの生データの総数。
- 訪問者数(Number of Visitors)- このアカウントIDを持つ訪問者の総数。
- サイト滞在時間(Time on Site)- 訪問者がこのアカウントIDでイベントを生成している合計時間(分単位)。
*これらのルールはガイドのターゲット設定の対象となります。
モバイル固有のデータ
- アプリバージョン(App Version)- モバイルアプリのバージョン。
- SDKバージョン(SDK Version)- Pendo SDKのバージョン。
- OSバージョン(OS Version)- モバイルOSのバージョン。
- デバイスの種類(Device Type)- モバイルデバイスの種類。
- デバイスモデル(Device model)- モバイルデバイスのモデル。
注:テキストタイプ属性のルールを使用する場合、テキストは大文字と小文字が区別されます。
メタデータ値検索
メタデータがルールで使用されている場合、入力フィールドには、そのメタデータのすべての既知の値がドロップダウンリストに表示されます。これにより、ルール内で既知の値を自信を持って選択できます。必要に応じて新しい値を追加できます。
400以上の値を持つメタデータでは、ドロップダウンリストに英数字順で最初の400個の値が表示されます。他の値を検索することもできます。
メタデータ値の検索では、「文字列」型のメタデータのみを使用できます。メタデータのデータ型の詳細については、Pendoにおけるデータマッピングとデータ型をご覧ください。
ネストされたセグメントの作成
ネストされたセグメントを使用すると、既存のセグメントを別のセグメント内のルールとして追加できます。これにより新しいセグメントの作成が簡単になり、また、ルールが変更された際に他のセグメントも更新されるような、コアセグメントを作成することができます。
1つのセグメントには、最大5つのネストされたセグメントを追加できます。セグメントをネストされたセグメントとして使用するには全員に表示されるようにする必要があります。ネストされたセグメントは、データエクスプローラのあらゆるタイプのセグメント、アナリティクス、ガイドのターゲット設定、およびドラフトセグメントで使用できます。ネストされたセグメントを使用する場合、それぞれのユースケースに適用されるものと同じ制限が適用されます。
ネストされたセグメントルールを追加するには、セグメント作成の手順に従ってください。また、新しいセグメントルールを追加する場合は、次の手順に従います。
- [プロダクトの使用状況(Product Usage)]ドロップダウンメニューから[セグメント]を選択します。
- [等しい(is equal to)]もしくは[等しくない(is not equal to)]」を選択して、ネストされたセグメントを含める、もしくは除外します。
- [保存されたセグメントを選択(Select a saved segment)]ドロップダウンから既存のセグメントを選択すると、サブスクリプション内の[全員]と共有されているすべてのセグメントがリスト表示されます。ガイドのターゲット設定のセグメントを編集する場合、不適格なセグメントは使用できません。ネストされたセグメントが追加され、そのルールのプレビューが他のルールとともに表示されます。このセグメントからネストされたセグメントを編集することはできません。代わりに、ネストされたセグメントへのリンクを選択し、元のセグメントに変更を加えることができます。これにより、ネストされたセグメントとして使用されているすべてのセグメントが更新されます。
- 必要に応じて、ネストされたセグメントまたはセグメントルールを追加し、セグメントを保存します。ネストされたセグメントが変更されると、このセグメントが自動的に更新されます。
注:複合ネストセグメントは作成できません。つまり、ネストされたセグメントのセグメントルールにネストされたセグメントが含まれている場合、新しいセグメントを作成するときにネストされたセグメントを使用することはできません。セグメントがネストされたセグメントとして使用されている場合、セグメントページのセグメントの詳細に、そのセグメントがアナリティクス、ガイド、セグメントで使用されているすべての場所を示すメッセージが表示されます。
CSVファイルによる、訪問者IDやアカウントIDの一括追加
多数の既知の訪問者IDあるいはアカウントIDをターゲット設定するには、セグメントに含める、またはセグメントから除外する訪問者IDもしくはアカウントIDを最初の列に記載した.csvファイルをアップロードします。
新しいセグメントに.csvファイルをアップロードするには、セグメントの作成の手順に従ってください。また、新しいセグメントルールを追加する場合は、次の手順に従います。
- 1番目のドロップダウンメニューで、アカウントIDまたは訪問者IDを選択します。リストをスクロールして選択することも、入力して選択することもできます。
- 2番目のドロップダウンメニューで、[csvを含む(csv contains)]もしくは[csvを含まない(csv does not contain)]のいずれかを選択します。[CSVをアップロード(Upload CSV)]ボタンが表示され、.csvファイルをアップロードするよう求められます。
ファイル形式
.csvファイルは、Pendoに読み取り可能な方法でフォーマットする必要があります。訪問者IDもしくはアカウントIDは、ファイル内で1つの行区切り列に入れる必要があります。アップロード時にチェックボックスをオンにしてヘッダーを省略すると、列はセルA1にヘッダーを付けることができます。それ以外の列、句読点、または特殊文字はサポートされていません。
フィードバックのリクエスト投票に基づくセグメント
フィードバックのユーザーであれば、リクエストの投票者に基づいて動的なセグメントを構築できます。セグメントの作成の手順に従ってください。また、新しいセグメントルールを追加する場合は、次の手順に従います。
- 1番目のドロップダウンメニューから[フィードバックリクエスト(Feedback Requests)]を選択します。
- 2番目のドロップダウンメニューから、フォーカスしたい特定のアプリ、もしくはアプリのコレクションを選択します。
- 3番目のドロップダウンメニューから、フィードバックリクエストを選択します。
セグメントには、リクエストに投票したすべての訪問者が含まれます。これは、現在のリクエストの投票者によって15分おきに動的に更新されます。Pendoスニペットで識別される訪問者のみが含まれます。UI、API、もしくはSalesforceインテグレーションで手動で作成されたチームメンバーや訪問者のレコードは、セグメントに表示されません。
注:フィードバックリクエストルールを使用したセグメントは、アナリティクスでのみ使用できます。ガイドのターゲット設定ではサポートされていません。
サンプルグループ
[サンプルグループ(Sample Group)]オプションを使用して、訪問者のランダムサンプルを対象としたセグメントを作成します。サンプルグループの値は訪問者の作成時に割り当てられ、その訪問者については不変です。値は0~99の範囲で、経時的にすべての訪問者に均等に割り当てられます。
上記のセグメントを作成するの手順に従ってください。また、新しいセグメントルールを追加する場合は、次の手順に従います。
- ドロップダウンメニューから[サンプルグループ(Sample Group)]を選択します。リストをスクロールして選択することも、入力して選択することもできます。
- サンプルグループの数量ルールを選択します。サンプルグループを使用して、さまざまなガイドデザインのA/Bテストを実施したり、ユーザー調査のために継続的にランダムグループを対象にしたり、ガイドの実験の対象となる訪問者の数を制限したりすることができます。
50~74(全ユーザーの25%)のサンプルグループを対象とした複数のルールを使用した例
訪問者のサンプルグループの値は、訪問者の詳細で確認できます。
ガイドのターゲット設定に適さないセグメント
特定のセグメントルールは、ガイドのターゲット設定では使用できません。多くの場合、これはセグメント内の計算や時間制限のある使用値によるもので、すべての訪問者に対してガイドの有効化に必要な処理スピードを提供できないためです。また、公開範囲が[自分のみ(Only Me)]であるセグメントも使用できません。
セグメントルールビルダーで、セグメントが ガイドの対象かどうかを確認できます。対象外の場合は、ツールチップアイコンにカーソルを合わせて、セグメントをガイドのターゲット設定に不適格とするルールを確認することができます。不適格なルールについては、以下で確認できます。
不適格なルール
- サイト滞在時間
- アクティブな日数
- 最終訪問
- イベント数
- アカウントIDs(訪問者が関連付けられているすべてのアカウント - [訪問者のメタデータ(Visitor Metadata)]で確認可能)
- ページ閲覧数、フィーチャークリック数、もしくはトラックイベントの数(一定期間内、例については以下を参照)
- クリックイベントまたはトラックイベントのプロパティ
ページ閲覧数を使ったガイドターゲティングルールは、次の条件下で[閲覧済み(Seen)]または[未閲覧(Not Seen)]のいずれかに限られています。
-
[閲覧済み]オプションには、[過去すべて(ever)]、[**以降(since)]、[過去**以内(within last)]、[少なくとも(at least)]、または[最大(at most)]があります。
-
[未閲覧]オプションには、[過去すべて]、[**以降]、[過去**以内]があります。
フィーチャーのクリック数を使ったガイドターゲティングルールは、次の条件下で [使用済み(Used)]もしくは[未使用(Not Used)]のいずれかに限られています。
-
[使用済み]オプションには、[過去すべて]、[**以降]、[過去**以内]、[少なくとも]、または[最大]があります。
-
[未使用]オプションには、[過去すべて]、[**以降]、[過去**以内]があります。
別のガイド、もしくは以前に公開されたガイドを閲覧した、もしくは閲覧していないユーザーをガイドのターゲットにする場合は、[閲覧済み(Viewed)]もしくは[未閲覧(Not Viewed)]のオプションがあります:。
セグメントのコピー
再利用や修正をしたいセグメントがある場合は、そのセグメントをコピーまたは複製できます。ドロップダウンメニューまたは[セグメント(Segments)]ページで既存のセグメントに移動し、その横にあるコピーアイコンを選択します。同じルールで、可視性が[自分のみ(Only Me)]に設定された[...のコピー(Copy of...)]という名前の新しいセグメントが作成されます。
よくある質問
メタデータフィールドを削除しましたが、ガイドに適用されるセグメントはどうなりますか?
[データマッピング(Data Mappings)]ページでメタデータフィールドが削除され、そのフィールドがセグメントで使用されている場合、そのフィールドはセグメントから削除されます。これにより、既存のセグメントは無効となり、そのセグメントを使用するガイドは表示されなくなります。
セグメント化によって除外された訪問者やアカウントをターゲットにできますか?
通常のセグメントでは、除外された訪問者やアカウントをターゲットにすることはできません。除外された訪問者やアカウントをターゲットにする唯一の方法は、ほとんどのページで利用可能な除外されたアカウントと訪問者セグメントフィルターでプロダクトデータを表示することです。