タグ付けはプロダクト全体の貴重なデータを収集しますが、すべてのフィーチャー、ページ、トラックイベントが同等に重要であるとは限りません。コアイベントとは、プロダクトの価値を高める主要なアクションのことです。
ユーザーの行動を詳細に把握し、ワークフローの分析を行うには、アプリケーション全体でフィーチャー、ページ、およびトラックイベントにタグを付けることが重要ですが、ユーザーの重要な行動が不要な情報の中に埋もれてしまうことがあります。コアイベントの使用有無によって、訪問者がアプリを有意義に使用したかどうかがわかります。これは、フォローや共有のようなアクションから、重要なページの閲覧、重要なワークフローを保存や公開などのアクションで完了することまで、多岐にわたります。訪問者がこれらの機能を使用したということは、アプリの価値を認識していることを示しており、再訪して継続的に使用する可能性が高まることがわかります。
ヒント:コアイベントを他のデータと区別するには、まずコアイベントと思われるものを特定します。これらの前提条件を検証するには、利用状況別アカウント定着率ウィジェットを使用して、これらのコアイベントへのエンゲージメントが平均以上の定着率につながっていることを確認してください。さらに、初回利用までの時間ウィジェットを使用して、これらのコアイベントでのユーザーのインタラクションを監視します。
コアイベントはPendo全体に統合されているため、Pendoレポート内の詳細な分析が容易になります。コアイベントを継続的に評価し、その利用を継続的な活動と関連付け、ユーザージャーニーの早い段階でユーザーがコアイベントを使用するよう促すことで、プロダクトで顧客を惹きつける機能を開発したり、そのプロモーションを行ったりすることに集中できるようになります。
コアイベントのセットアップ
コアイベントを設定する前に、コアとして指定するフィーチャーイベント、ページイベント、トラックイベントがすでにタグ付けされていることを確認してください。
コアイベントの設定にアクセスするには、管理者はフィーチャー、ページ、トラックイベント、またはPESページの上部から[コアイベントを管理(Manage Core Events)]を選択する必要があります。
どのアプリにもまだコアイベントが設定されていない場合、コアイベントの概要、メリット、コアイベントの識別方法を説明する紹介ページが表示されます。ページの右下にある[コアイベントの開始(Get Started with Core Events)]を選択します。
コアイベントのセットアップ(Set Up Core Events)画面では、サブスクリプション内の各アプリのコアイベントを選択できます。アプリを選択すると、現在選択されているコアイベント、選択されているコアイベントの数を示すカウンター(最大10個)、そのアプリに新しいコアイベントを追加するためのセレクターが表示されます。
[ページ、フィーチャー、またはトラックイベントを選択(Select a Page, Feature, or Track Event)]ドロップダウンを開き、リストからタグ付けされたイベントを選択します。各アプリで最大10個のイベントについて繰り返します。各アプリのコアイベントをすべて選択したら、[保存して終了(Save and Exit)]を選択します。
コアイベントを削除または置き換える必要がある場合は、このページに戻り、該当するイベントにカーソルを合わせ、削除(x)アイコンを選択します。必要に応じて別のイベントを追加し、変更を保存してください。コアイベントを削除すると、タグ付けされたページ、フィーチャー、またはトラックイベントのコアイベントとしての指定が削除され、PESに影響する可能性がありますが、Pendoからイベントが削除されたり、その他の使用状況データに影響したりすることはありません。
コアイベントの検証
コアイベントを測定するように初回利用別のリテンションダッシュボードウィジェットを設定すると、アカウントが最初の30日間にコアイベントを使用した場合のアカウントの定着率が表示されます。コアイベントは、ユーザーを満足させ、そのユーザーが定期的にそのアプリに戻ってくるようなアクションである必要があります。ユーザーがそのアカウントライフサイクルの最初の段階でコアイベントを利用すると、コントロールラインと比較して平均を上回る定着率が得られるはずです。コントロールラインは、何らかのイベントを体験したアカウントの平均定着率です。
コアイベントの利用によって平均以上の定着率が得られることが、このウィジェット上で示されていない場合、選択したコアイベントが間違っていて、実は定着しているアカウントは別のフィーチャーを利用している可能性があります。平均を下回るコアイベントは、アカウントの定着につながりそうな別のページ、フィーチャー、トラックイベントと置き換えてみましょう。なお、この分析の対象となるアカウントは、活動開始から30日以内にコアイベントを利用し、そのアカウントの開始日がアカウントのリテンション期間内である必要があります。
このダッシュボードウィジェットの詳細については、初回利用別のリテンションを測定するを参照してください。
ユーザーを価値へと導く
初回利用までの時間ダッシュボードウィジェットを、コアイベントを測定するように設定すると、ユーザーがコアイベントを初めて利用するまでの平均時間が表示されます。コアイベントを利用することで平均以上のリテンションが得られることを確認したら、次は、できるだけ早く他のユーザーにもその機能を知ってもらう必要があります。
このウィジェットでは、対象となるすべてのユーザーの初回利用までの時間を平均値、中央値、最小値、最大値で表しています。初回利用までの時間を短縮できるように、メッセージングやオンボーディング、プロダクトの設計を改善し、コアイベントの利用によってアカウントのリテンションが向上するかどうかを確認しましょう。なお、この分析の対象となるユーザーは、最初の訪問後にコアイベントを利用している必要があります。
このダッシュボードウィジェットの詳細については、初回使用までの時間を測定するを参照してください。
アナリティクスでコアイベントを確認する
Pendoでは、コアイベントはドロップダウンメニューで優先的に表示され、リストで強調表示されているため、使いやすく、コアイベントを正確に選択できます。Pendoで行う他の分析でも、コアイベントを使用することは重要です。
ヒント:コアイベントの利用や導入状況を追跡することは、プロダクトマネージャーだけでなく、組織の他の担当者にとっても価値があります。たとえばカスタマーサクセスマネージャーは、アカウントのコアイベントの利用状況を把握することで、ユーザーがプロダクトの価値を見出しているかどうかを確認できます。データサイエンティストは、コアイベントの利用・非利用のパターンを調べることができます。デザイナーは、ユーザーをコアイベントの利用に導くようにプロダクト設計を改善することができます。
コアイベントは、データエクスプローラ、セグメント、訪問者とアカウントのレポートなど、リストからイベントを選択する際に、他のフィーチャーやページ、トラックイベントから分離される場合があります。
コアイベントを他のタグ付きイベントと区別しやすくするために、フィーチャー、ページ、トラックイベントページには[コアイベント]テーブル列が含まれ、コアと表示されたイベントの詳細ページには[コア(Core)]バッジが使用されます。[コアイベント]列を選択してテーブルを並べ替えると、テーブル内のすべてのコアイベントをすばやく見つけることができます。