データエクスプローラで数式を使用すると、合計、比率、相対比率などの計算結果を入れてレポートを作成できるため、アプリでのユーザーの行動傾向をより適切に把握できます。
数式の可能性は無限にありますが、この記事では、関数ごとに一般的なユースケースを一部ご紹介します。各ユースケースでは、プロダクトマネージャーによる活用例を概説しています。数式の適用やデータエクスプローラのレポート構築に関する段階的な手順については、データエクスプローラを参照してください。
以下の表で各数式の概要を理解してから、後述する具体的なユースケースをお読みください。
数式のタイプ | 計算方法 | レポート上の結果 |
合計(Sum) | SUM | イベントグループ内の全イベントの使用量を合計した値。 |
比率(Ratio) | SUM/SUM | 1つのイベントグループ内の全イベントの使用量を合計し、その値を同じまたは別のイベントグループ(2つ目のイベントグループや別の測定によるグループなど)内の全イベントの合計で除算した値。 |
相対比率(Relative percentage) | SUMEACH/SUM | イベントグループ内の各イベントの合計測定値(合計、一意の訪問者、または一意のアカウント)を取得し、イベントグループ内の全イベントの合計で除算した値。 |
数式を活用する際の最大のメリットは、比率や相対比率を計算するときにその分母を選択できることです。数式を使用せずに特定のフィーチャーを使用している訪問者の割合を確認する場合、サブスクリプション内のすべてのアクティブ訪問者と比較する必要があります。しかし、数式を使用すれば、特定のプロダクトやアプリ内のアクティブ訪問者のみと比較することが可能です。このように、数式を活用すると分母を限定できるため、疑問の解消に必要な正しいデータが得られます。
合計のユースケース
合計は、特定の一連のイベントの使用状況を総合的に把握するのに役立ちます。以下に、合計の数式により解消できる一般的な疑問をご紹介します。
類似機能を持つ複数フィーチャーの使用量を合計するとどれくらいか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 1つのイベントグループ
- 特定のフィーチャー(グループAのイベント)
- 合計の数式:SUM(A, Totals)
あるプロダクトエリア内の全ページの閲覧数を週単位で合計するとどれくらいか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 1つのイベントグループ
- 特定のページ(グループAのイベント)
- 合計の数式:SUM(A, Totals)
- [日付範囲(Date Range)]で[週次(Weekly)]を選択
あるプロダクトエリアを使用している訪問者数は、別のプロダクトエリアと比較して多いか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 2つのイベントグループ
- 1つ目のプロダクトエリア内の全イベント(グループA)
- 2つ目のプロダクトエリア内の全イベント(グループB)
- 合計の数式2つ:(A, Unique Visitors)とSUM(B, Unique Visitors)
比率のユースケース
比率は、複数のイベント間の関係を理解するのに役立つ除算関数です。以下に、比率の数式により解消できる一般的な疑問をご紹介します。
モバイルアプリで特定のフィーチャーを使用しているアクティブ訪問者の割合はどれくらいか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 2つのイベントグループ
- 特定のフィーチャー(グループAのイベント)
- 特定のアプリのいずれかのアクティビティ(グループB)
- 比率の数式: SUM(A, Unique Visitors) / SUM(B, Unique Visitors)(%)
あるページを閲覧した訪問者のうち、そのページで特定のタスクを実行した割合はどれくらいか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 2つのイベントグループ
- 特定のフィーチャー(グループAのイベント)
- 特定のページ(グループBのイベント)
- 比率の数式: SUM(A, Unique Visitors) / SUM(B, Unique Visitors)(%)
相対比率のユースケース
相対比率は、個々のイベント使用量をより大きなイベントグループと比較して理解したい場合に役立つ除算関数です。以下に、相対比率の数式により解消できる一般的な疑問をご紹介します。
無料トライアル中にコアイベントを使用したトライアルユーザーの割合はどれくらいか?
このユースケースでは、訪問者が現在無料トライアル中かどうかを追跡するメタデータフィールドの履歴メタデータを有効にし、データエクスプローラのレポートに以下を追加する必要があります。
- 2つのイベントグループ
- 特定のアプリのコアイベント(グループA)
- 特定のアプリのいずれかのアクティビティ(グループB)
- 相対比率の数式:SUMEACH(A, Unique Visitors) / SUM(B, Unique Visitors)(%)
- レポートのフィルター(履歴メタデータとして選択したトライアル関連のメタデータフィールドを含む)
全コアイベントの合計使用量と比較して、定着率が最も高いコアイベントはどれか?
このユースケースでは、データエクスプローラのレポートに以下を追加します。
- 1つのイベントグループ
- 選択したコアイベント(グループA)
- 相対比率の数式:SUMEACH(A, Totals) / SUM(A, Totals)(%)
レポートの解釈
レポートにどの数式を適用した場合でも、データエクスプローラ上のグラフにはデフォルトで最大2件の測定値が表示されます。各測定値に対して、その値と関連するY軸があります。グラフの上部にあるドロップダウンセレクターを使用すると、各データのY軸に表示する測定値を選択できます。
グラフ内の特定のデータポイントの表示/非表示を切り替えるには、詳細表のビューアイコン(目のマーク)をクリックします。ただし、レポートで複数の測定値を使用しており、グラフに3つ目以降のデータを追加した場合、対応するY軸の存在しないデータが発生することに留意してください。
レポートの解釈の詳細については、データエクスプローラを参照してください。