リテンションは、時間が経過した後にユーザーがプロダクトに戻ってくるかどうかを示します。Pendoのリテンションレポートは、プロダクトの経時的な成長やユーザーがプラットフォームに戻ってくる要因を分析する際に活用できます。
注:リテンションレポートには、識別済みユーザーのデータのみ表示されます。匿名の訪問者のデータは含まれません。
表の解釈
まず、以下のオプションからデータのフィルタリング方法を選択します。
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ソース(Source):データセットに含めるアクティビティとアプリを選択します。
- アクティビティ(Activity):ページ、フィーチャー、トラックイベントなど、リテンションを確認するアクティビティの種類を選択します。デフォルトでは[すべてのアクティビティ(All Activity)]が選択されています。
- アプリ(App):このドロップダウンメニューでは、特定のグループ(すべてのウェブアプリまたはすべてのモバイルアプリ)または単一のアプリに絞り込むことができます。
- アクティビティセレクター(Activity Selector):メインの[アクティビティ]ドロップダウンで、ページ、フィーチャー、またはトラックイベントを選択すると、このドロップダウンが表示され、測定したい特定のページ、フィーチャー、またはトラックイベントを選択できます。
- コホートタイプ(Cohort Type):訪問者またはアカウントで結果を確認します。
- コホートサイズ(Cohort Size):最初の訪問日に基づいて、ユーザーベースを[月(Month)]または[週(Week)]で分割するかどうかを選択します。リテンションアナリティクスでは、1か月は30日、1週間は7日と定義されています。
- セグメント(Segment):デフォルトのセグメントは、プロダクトやアプリを訪問した[全員(Everyone)]に設定されています。必要に応じて、希望するターゲットグループを選択できます。
- 日付範囲(Date Range):選択したコホートサイズに基づいて、過去6か月、9か月、12か月または過去6週間、9週間、12週間のデータが表示されます。
デフォルトの表示では、全アプリのアクティビティについて[1か月(1 Month)]のコホートサイズを使用して、過去6か月間のすべての一意の訪問者数が表示されます。
各行は「コホート」と呼ばれます。リテンションアナリティクスを「コホートアナリティクス」と呼ぶこともあるのはこのためです。
表の解釈を容易にするために、サンプルのリテンションコホートを解釈する際は、以下の仮定に基づいてください。
- 本日の日付は2018年10月15日
- Pendoで記録されたユーザーAの初回訪問日は2018年4月15日
- Pendoで記録されたユーザーBの初回訪問日は2018年4月30日
ユーザーAとユーザーBの初回訪問日は4月なので、両ユーザーはともに2018年4月のコホートに含まれます。
つまり、個々の訪問者やアカウントには、それぞれ30日間または7日間のタイムフレームがあり、それがコホートにまとめられます。上記の事例を用いて、以下のセクションにある表の一部を解釈する方法を説明します。
列
[1か月(1 Month)]のコホートサイズ(30日単位)を使用した場合、各ユーザーのタイムフレームの算出方法は以下のとおりです。

同様に、[1週間(1 Week)]のコホートサイズ(7日単位)を使用した場合、各ユーザーのタイムフレームの算出方法は以下のとおりです。

パーセンテージ
各行の各セルには、一定期間(月/週)経過後にプロダクトやアプリケーションに戻ってきたユーザー数を示すコホートのリテンションが表示されます。

たとえば、2018年5月には合計1,521人の訪問者がいたとします。1月目(Month 1)には、93%のユーザーが戻ってきました。つまり、合計1,521人の訪問者のうち約1,414人が、30日以内にプロダクトやアプリケーションを再度使用したということが分かります。
すべてのセルは互いに独立しているため、パーセンテージが増加することもあります。これは、指定したタイムフレーム内にアプリケーションを訪問したユーザー数が増加したことを意味します。
アスタリスク付きのセル
パーセンテージの横にアスタリスク(*)が表示される場合があります。これは、該当するコホートには1か月(30日単位)経過までに残り時間があるため、数字が変わる可能性があることを意味します。
上記の事例を用いて、各タイムフレームの解釈を続けましょう。ユーザーAとユーザーBの両方において、5か月目(Month 5)と6か月目(Month 6)はまだ未確定です。未来のタイムフレームはピンク色でハイライトされ、5か月目と6か月目のコホートにアスタリスクが付く理由を示しています。

そのため、表は次のようになります。

色の説明
表の色の濃淡は、以下のパーセンテージに基づいています。

表の操作
表内のセルを選択すると、右側にパネルが開き、計算対象となる[訪問者(Visitors)]のリストが表示されます。このリストには、特定のコホートの割合を形成するユーザーの総数と、最大250件の訪問者IDが表示されます。訪問者IDを選択すると、その訪問者の詳細ページを確認できます。
同様に、[離脱した訪問者(Dropped Visitors)]タブを選択すると、前の期間には存在していたが、今の期間に戻ってこなかった全訪問者(最大250人)を確認できます。
リストの一番下にある[CSVをエクスポート(Export CSV)]を選択すると、選択したコホートのすべての訪問者IDまたはアカウントIDを、選択したメタデータ値とともにCSV形式でダウンロードできます。

セグメントとアクティビティのリテンション
[アクティビティ]フィルターでフィーチャーを選択することは、セグメントのオプションを選択することとは異なります。
- セグメントフィルターを使用すると、そのフィーチャーを過去に使用したユーザーのセグメントのリテンションを測定できます。アプリケーション内で任意のフィーチャーを使用したことがあれば、リテンション率はさらに上がります。
- フィーチャー別の[ソースアクティビティ(Source Activity)]フィルターを使用すると、セグメントフィルターとは異なり、ユーザーが特定のページやフィーチャーを操作した場合にのみリテンション率が上昇します。このようにして、NPSページにおける推奨者のリテンションなど、ページ、フィーチャー、トラックイベントのリテンション率を任意のセグメントで測定できます。
アカウントベースのセグメントで[すべてのアクティビティ]および[訪問者のコホートタイプ(Visitor Cohort Type)]を選択すると、[全員]でフィルタリングした場合とは異なる訪問者、もしくはより多くの訪問者が表示される可能性があります。
- [全員]セグメントを使用すると、任意のアカウントIDに関連付けられた訪問者の初回訪問日のリテンションを測定します。
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アカウントレベルに基づくルールでセグメントを使用すると(例:
Account Id = Acme Org
)、セグメントルールに適合したアカウントで訪問者の初回訪問日のリテンションを測定します。-
たとえば、リテンションの表が[すべてのアクティビティ]、[コホートタイプ]は[訪問者]、[1週間]、[過去6週間](2019年4月1日~5月13日)で設定されているとします。
- 初回訪問日が2018年3月1日の訪問者Aは、[セグメント]が[全員]に設定されている場合、レポートに表示されません。
- [セグメント]が
Account Id = Acme Org
に設定されており、かつアカウント:Acme Orgに紐づいた訪問者Aの最初のイベントが5月1日であった場合、訪問者Aがレポートに表示される可能性があります。
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たとえば、リテンションの表が[すべてのアクティビティ]、[コホートタイプ]は[訪問者]、[1週間]、[過去6週間](2019年4月1日~5月13日)で設定されているとします。
週単位のコホートサイズのデフォルト日付範囲
コホートサイズとして[1週間]を使用する場合、デフォルトの日付範囲は[過去6週間(Last 6 Weeks)]、[過去9週間(Last 9 Weeks)]、[過去12週間(Last 12 Weeks)]です。コホートには1週間全体のデータが含まれ、各週のコホートは日曜日から始まるよう調整されます。
たとえば、今日の日付が5月6日(水)で、コホートサイズが[1週間]、日付範囲が[過去6週間]の場合、リテンションの表には以下の6週分の1週間単位のコホートデータが表示されます。
- 3月22日(日)〜3月28日(土)
- 3月29日(日)〜4月4日(土)
- 4月5日(日)~4月11日(土)
- 4月12日(日)~4月18日(土)
- 4月19日(日)~4月25日(土)
- 4月26日(日)~5月2日(土)
5月3日(日)~5月6日(水)は、デフォルトの日付範囲である[過去6週間]には含まれません。この期間は1週間全体ではなく週の一部分だからです。