概要
サポートチケットを削減することは、サポートチームの対応範囲を拡大するためだけではなく、顧客体験を向上させるためにも重要です。本記事では、ガイドとリソースセンターを活用したすぐに使用できるPendoのセルフサービスオプションについて説明するとともに、サポートコストの削減、顧客リテンションの向上、解約リスクの低減に役立つユースケースを紹介します。
アプリケーション内でオンデマンドのガイダンスや情報を提供することで、顧客はチケットを作成することなく、いつでも必要な情報を見つけることができるようになります。その結果、サポートチームの生産性が向上し、成長するビジネスニーズに合わせてより効果的に対応範囲を拡大し、優先度の高いチケットへの対処に集中できます。
はじめに
サポートチケット削減へのアプローチはいくつかありますが、ここでは最初に取り組むべき基本的な内容に焦点を当てます。
- 合計サポート件数 + 指標 - チームに送信されたチケットに関する情報を入手できますか?送信されたチケットの数、クローズまでの平均時間、サポート時間あたりのコストなどは、Pendoガイドの一対多のアプローチを実装する際に、節約された時間数とそれに伴うコスト削減を測定するのに役立ちます。
- チケットのテーマ - サポートチームは現在、受信したチケットのテーマを広く識別するためにタグを利用していますか?タグを利用している場合、最初に複数のテーマを選択することから始めましょう。短期間で解決できるテーマ(簡単な操作でクローズできるチケットを仕分けて、必要な操作に関するガイドを作成します。例:企業固有の専門用語の定義を含むシングルステップのツールチップガイド)と、完全なウォークスルーガイドで対処する大規模なフローの両方を選択することをお勧めします。
- ナレッジベースの記事 - 貴社に最新情報を備えた堅牢なナレッジベースがある場合、それを有効活用しましょう。ガイド内の記事に最新情報をリンクすることで、ユーザーに多くのコンテキストを提供しながら、ガイドのコンテンツを短く簡潔にして最大限の効果を得られます。貴社においてナレッジベースが整備されていない場合は、上記で示した主要なテーマに関する記事をいくつか作成することをご検討ください。
ヒント:ナレッジベースのコードにアクセスできる場合、ナレッジベースにPendoをインストールすることも可能です。記事の閲覧状況やチケット利用前の一般的なパスを追跡し、顧客がチケットを作成した時点ですでに閲覧されていた記事を確認できます。
方法
- バッジでアクティベーション(有効化)するシングルステップのツールチップガイド - 定義、リマインダー、警告、バグ通知、ユーザーからのフィードバック収集などの、短期間で解決できるテーマの場合に特にお勧めです。バッジの有効化により、ユーザーがバッジにカーソルを合わせたりクリックしたりする前でも、バッジの画像をカスタマイズして意味を伝えることができます。たとえば、定義には情報アイコンや疑問符、リマインダーにはアラームベルアイコン、チームが問題を認識して対処中である旨をユーザーに伝えるバグアイコンなどを使用できます。また、ページ上で常に表示されるようバッジの動作を指定したり、ユーザーがバッジの対象要素にカーソルを合わせたときのみ表示されるよう設定することもできます。
- マルチステップのウォークスルーガイド - アプリケーション内のフロー全体に関するチケットのテーマを特定した場合は、このアプローチを採用します。ウォークスルーガイドを使用すると、フローの各ステップでコンテキストを提供し、プロセスの最初から最後までユーザーを導くことができます。
- リソースセンター - Pendoのすぐに利用できるリソースセンター機能を、上記のガイドと組み合わせて活用することで、最大限の効果を得ることができます。リソースセンターは、コンテキストに即したヘルプ情報のリポジトリとして機能し、簡単な疑問に関して顧客自身で対応できるようにすることで、アプリケーション体験を向上させます。基本的な手順や使用開始方法に関するガイド、新しい製品のお知らせ、ナレッジベース記事、よくある質問(FAQ)セクションなどをリソースセンターに備えておくことで、チームがより複雑なチケットの対処に集中できるため、サポート時間が節約され、チームの対応範囲の拡大に寄与します。
活用例
貴社や貴社のアプリケーションに特化したユースケースは他にも複数あると思われますが、お客様全般にわたり効果を確認できた事例を以下にご紹介します。
- 定義 - 貴社にはアプリケーション固有の用語がありますか?ユーザーは、指標の計算方法やドロップダウンに特定のオプションが表示されない理由に関してお困りかもしれません。また、アプリケーションの特定のエリアについて詳しく知ることを望んでいる可能性もあります。テキスト記述とナレッジベース記事へのリンクの両方を含めて、ユーザーが必要に応じて多くのコンテキストを取得できるようにしましょう。
ヒント:ガイドに記事をリンクする場合は、レポートに含める目的でフィーチャーとしてタグ付けし、記事をクリックしたユーザー数を把握して詳細情報を取得しましょう。
- バグ - アプリケーションのユーザーがバグチケットを送信する場合、重大なケースである可能性が高いです。このようなユーザーの多くは不満を抱いており、アプリケーション内で他のことをするか、アプリケーションから完全に離脱してしまうことさえあります。Pendoでは、不具合のある機能を対象としたガイドをすばやく簡単に公開し、バグを認識して対処中である旨をユーザーに通知できます。たとえば、不具合がFirefoxの機能のみで発生していた場合などは、その機能のFirefoxユーザーをターゲットに絞ったセグメントを作成することで、該当する問題の影響を受けないユーザーへの過剰なメッセージ配信を回避できます。
- 警告 - アプリケーション内に、ユーザーが誤って連続クリックした場合に、削除できないはずのコンテンツが削除される可能性があるエリアはありますか?自動アクティベーションとバッジによるアクティベーションの両方を組み合わせて、アプリケーション内の要素の隣、またはページ上に警告バッジを配置することをお勧めします。これらのアクティベーション方法の組み合わせにより、ユーザーが初めて機能を確認した場合やページに移動した場合にガイドが自動的に表示され、警告が表示されます。ユーザーがガイドを閉じると、その後、同じ機能を使用したり同じページを読み込んだりするたびに警告バッジが表示されます。警告バッチの表示のみで十分な場合もありますが、バッジをクリックすると、必要に応じて何度でもガイドメッセージを確認することができます。
- リマインダー - ユーザーは特定の命名規則に従う必要がありますか?アプリケーションの特定のエリアを使用する頻度が低く、プロセスの更新が必要でしょうか?そのような場合、簡潔なツールチップまたは完全なウォークスルーガイドを活用して、タスクの完了方法をユーザーにリマインドしましょう。
- 機能リクエスト - ユーザーがサポートチケットを使用して機能リクエストを頻繁に送信し、トラブルシューティングに要する貴重な時間を奪っていませんか?バッジでアクティベーションできる自由記入式の投票調査ガイドを活用してリクエストを提出することをユーザーに習慣化させましょう。投票調査ガイドは、アプリケーション内のどこにでも設置でき、いつでも利用することができます。投票調査の回答を対象とした訪問者レポートを作成しましょう。チームがこのレポートを配信登録すると、毎週月曜日にPendoから自動メールが配信され、前週の新しい回答やリクエストを確認できます。
ヒント:バッジの有効化を利用したくない場合は、フィードバック用の自由記入式の投票調査ガイドをリソースセンターに配置し、独自のモジュールにより各ページで投票調査ガイドを利用できるよう設定できます。
注:さらに堅牢な機能リクエストをご希望の場合は、Pendo Feedbackの利用をご検討ください。この機能では、ユーザーからの機能リクエストの収集と優先順位付け、他のユーザーのアイデアの閲覧や投票、興味のあるリクエストのステータスの確認、現在進行中の取り組みやリリース内容に関する情報を得ることが可能です。
改善、反復、ユーザーに関する詳細情報の収集
ガイドを公開すると、ユーザーについてさらに詳しく知ることができます。ガイドの指標を定期的に確認し、以下のような質問を投げかけましょう。
- バッジ形式のツールチップ、ウォークスルー、リソースセンターのうち、よりエンゲージメント率の高いものはどれですか?
- ガイドステップにヘルプ記事をリンクした場合、ユーザーはリンクをクリックしていますか?
- マルチステップのウォークスルーガイドを作成した場合、ユーザーは最終ステップまで到達していますか?それともフローの早い段階で多くのユーザーが離脱していますか?
- 単なるテキストコンテンツよりもgifや画像(もしくは動画)の方がユーザーの反応がよいですか?
- 過去に特定したサポートテーマを対象としたガイドは、実際に送信されるチケット数を削減していますか?
- 新たなチケットのテーマは発生していますか?
- ユーザーがガイドを閲覧し、記事のリンクをクリックし、それでもチケットを送信した場合、顧客がより良いセルフサービスを行うためにはどのようにコンテンツ(ガイドおよび記事)を改善しますか?