概要
トライアルのコンバージョン率を高める理由
ソフトウェアビジネスを成長させる多くの手法のなかで、無料トライアルほど拡大可能なものはほぼありません。
トライアルの価値は、それが生み出す有償の顧客が持つ価値と同等になります。そのため、トライアルからより多くの成果を得るには、より多くの人にプロダクトを試してもらうか、トライアルのユーザーが顧客にコンバージョンする割合をあげる必要があります。この文書は後者の実行に役立ちます。
より多くの有償顧客を獲得するという明らかな利点に加えて、トライアルのコンバージョン率を上げることは、新規ユーザーがより早く価値を見出していることを意味しており、これは顧客のより良いセンチメントとより高いリテンションにつながる傾向があります。
ベースラインを測定する
何かを改善するために取る最初のステップは、現状を把握することです。ソフトウェアのトライアルでこれを行うには、どのトライアルがコンバージョンし、どのトライアルが解約されたかがわかるデータが必要です。
Pendoでは、日付(Date)タイプの4つのメタデータフィールドをアカウントに追加します。
- “Trial start”
- “Trial end”
- “Trial converted”
- “Trial churned”
1つ目はアカウントがトライアルを開始した日、2つ目はトライアル期間が終了した日、そして最後の2つはアカウントがコンバージョンした日、または使用を止めた日を保存します。これらの最後の2つのフィールドは、両方とも値を持たないか、1つのみが値を含みます。
注:これらのデータの一部または全部がすでにSalesforceインスタンスにある場合は、SalesforceインテグレーションでPendoに取り込むことができます。このデータが別の場所にある場合は、カスタムメタデータフィールドを作成し、APIを使ってデータを入力できます。
これらのフィールドを含むようにスニペットを更新し、一定期間データを取得したら、Pendo全体で使用するセグメントを複数作成できます。
実施中のトライアルアカウント
"Trial start"が空ではない(not empty) AND "Trial converted"が空(empty)AND"Trial churned"が空(empty)
実施中のトライアルアカウント - 2日目
“Trial start”が1日以内ではない(not with in 1 days)AND “Trial start”が2日以内(within last 2 days)
実施中のトライアルアカウント - 残り1週間
“Trial end”が7日以内(within next 7 days)
コンバージョンしたトライアルアカウント
“Trial converted”が空ではない(not empy)
コンバージョンしたトライアルアカウント({date 1}~{date2})
“Trial converted”が{date 1}と{date 2}の間(between {date 1} and {date 2})
解約したトライアルアカウント
“Trial churned” が空ではない(not empy)
解約したトライアルアカウント({date 1}~{date2})
“Trial churned” が{date 1}と{date 2}の間(between {date 1} and {date 2})
これらのセグメントを使って、分析データを精査し、アプリ内ガイダンスを対象とします。
コンバージョンが予測される行動を見つける
Pendoのアナリティクスを使用すると、トライアルユーザーがプロダクト内で行ったコンバージョンにつながったアクションを特定できます。もし、プロダクトのどの部分がトライアルのコンバージョンを生み出すのかについて、すでに仮説があるのであれば、次のセクションに進んでください。
このような動作を見つけるには、コンバージョンしたトライアルアカウント({date 1}~{date2})セグメントと、解約したトライアルアカウント({date 1}~{date2})セグメントを複数のアナリティクスモジュールに適用します。
単一の(または少数の)日を表示するようにセグメント日付を調整し、その日付のX日前(Xは試用期間の最長期間)に各Pendo分析モジュールにカスタム日付範囲を適用します。この2つの制限がなければ、アナリティクスにはコンバージョン後のイベントが含まれてしまいます。
ページ
ダッシュボードで、2つの[アカウントが使用したページ(Page Use by Account)]ウィジェットを横に並べて追加し、前述のセグメントと日付範囲が適用されていることを確認します。
コンバージョンしたトライアルで頻繁に使用されていたが、解約したトライアルでは使用されていなかったページやフィーチャー、そしてその逆のパターンも確認します。
新規ユーザーにとって、あるページが他のページよりも価値が低いと思われる理由を考えてみてください。プロダクトを改善する余地を見つけられるかもしれません。この文書の後半では、ユーザーをより価値の高いページに誘導するためのアプリ内ガイダンスの作成方法について説明します。
ベストプラクティス - トライアルのコンバージョンに関連するページやフィーチャーを特定したら、今後、容易に参照できるように「トライアル主要行動」などの名前を付けてグループ化してください。
ページの使用状況に関するより詳細なデータを参照するには、[ページ(Pages)]ページに移動し、下記の列を含めてください。
フィーチャー
フィーチャーの利用についても、同じプロセスを実行します。
[フィーチャー(Features)]ページに、下記の列を含めてください。
アナリティクスは、時間をかけるだけの価値があります。特定のフィーチャーの「頻繁な」利用のみがポジティブな指標であることや、アプリケーションの利用時間の方が特定のフィーチャーの使用よりも重要であることがわかります。
パス
コンバージョンしたセグメントと解約したセグメントの間で利用状況に大きな差があるページやフィーチャーについては、そのページやフィーチャーで終わるパスを作成し、ユーザーがそのページやフィーチャーに到達する前に取っている行動を把握します。上記のセグメントと日付範囲を必ず適用してください。
最後に、ログインなどの一般的なイベント後、コンバージョンしたトライアルと解約したトライアルがたどったパスにどのような違いがあるかを見てみましょう。
2つのセグメントの行動のどこが異なるかに注意してください。そのような分岐点でアプリ内ガイダンスを追加することが最も効果的です。
コンバージョンが予測される行動を促す
コンバージョンが予測されるページ、フィーチャー、ワークフローを特定したら、ユーザーをそれらの行動に誘導します。
アプリ内ガイダンスを使用して、ユーザーにプロダクトの価値の高い部分を紹介してください。ここでは簡単な例をいくつか紹介します。
価値の高いページに移動する方法を表示する
価値の高いワークフローに案内するマルチステップガイドのツールチップ
ユーザーのペルソナを把握するためのアンケート。その後、そのペルソナに基づいてオンボーディングフローのようなカスタムエクスペリエンスを作成できます。
リソースセンターのオンボーディングモジュールを使用して、価値の高い行動ごとにガイドを格納し、新規ユーザーがアプリ内で自分で操作できるようにします。
ハイタッチプロセスの拡大
アプリ内メッセージを使うと、トライアル中の人との接触による時間、摩擦、コストを削減できます。
例えば、あなたの会社がすべてのトライアルアカウントにセールスエンジニアを割り当てているなら、彼らが受ける最も一般的な質問を分類して、アプリ内メッセージで先手を打ちます。
予期せぬ質問が発生しても、ナレッジベースやライブチャットサポートをトライアルアプリケーションに搭載することで、新規ユーザーの摩擦を減らすことができます。
投票調査ガイドを使用して、ユーザーがペルソナを自分で選択できるようにすることを検討してください。これを内部的に行う方法の詳細については、Pendoのブログ記事を参照してください。あるいは、プロダクト、問題点、トライアルプロセスに関するフィードバックを集めるために投票を利用したり、人的な接点を提供したりすることもできます。
最後にご紹介するのは、オンボーディングドリップキャンペーンのような、アプリ内メッセージとアプリ外メッセージを統合するためのベストプラクティスです。ガイドのハイパーリンクを使ってアプリ内のハイパーリンクから直接アプリ内メッセージを起動します。